「足し算」より「引き算」のマーケティング

「足し算」より「引き算」のマーケティング(過剰スペック商品と顧客ニーズ)
     -コラム欄を更新しましたのでご覧ください-

 メーカー側から見るとお客様の幅広いニーズにできるだけ対応することを目指しますと、結果的にオーバースペックな商品が販売されがちになります。

 損害保険の商品でも、例えば火災総合保険を見ると、本来の補償目的である「火災」「爆発」「落雷」の三大リスクに加えて、「風災」「雹(ひょう)災」「雪災」「水災」「物体の落下」「水濡れ」「盗難」「その他不測の事故」など様々なリスクをドンドン足し算して補償対象にした所謂オールリスク補償商品が一般的になっています。さらに追加特約も上乗せされ、保険料は高くなります。

 これはとても安心である反面、主要リスクである火災事故を重視し、重要度が低いその他のリスクを引き算して行くと、シンプルでコストを削減した元来の火災保険になります。

 ただ現実には、オールリスク化に慣れてしまったお客様は、「水道の水漏れ事故は当然補償対象だよね?」と必ず照会して来られます。しかし、「水漏れ事故」で経済的に困窮するケースは殆どありませんから、重要リスクである火災事故に焦点を絞って、その他のリスクは自己保有するという考え方もある訳ですね。

2025年07月17日